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お堀岸の美術館

2008/07/16 20:44
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日本橋での仕事の後、竹橋の国立近代美術館の企画展「建築がうまれるとき ペーター・メルクリと青木淳」に。展覧会の内容は現代建築家の設計プロセス自体を展示したかなり通なもの。普通の人にはちょっと分かり難いかも。その後回った常設展の方は教科書で知ってるような著名なものや、好きな写真家のプリントがあったりして改めて見直すとまた好印象。これで420円なんてお得でしょう。(企画展によって料金はちょっと変わりますけど)

国立近代美術館は谷口吉郎(たにぐちよしろう)氏の設計。一見地味な建物ですがディテールはかなりリッチです。複数の色の木材を寄木細工のように合わせたフローリング床とか、目地幅とタイルが同寸に近いような不思議な壁とか、ステンレスの無垢材を組み合わせたサッシとか(近年改装されているのでどの程度オリジナルかは確かではありませんが)。さすがホテルオークラのメインロビーを手掛けた方という感じの上品さです。

写真は美術館2階のテラス。車の多い皇居周りもちょっと上から眺めるとより緑が目にしみます。テラスの一部にレストランもありました。今回は時間がありませんでしたが次の機会には皇居ランナーを見下ろしながら昼ビールなど楽しみたいなあ。
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展覧会のポスター

2008/05/27 16:41
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5月の連休に群馬の高崎を訪れた目的のひとつは建築の展覧会。ちょうどA・レーモンドの回顧展と磯崎新の企画展「磯崎新 七つの美術空間」が開催されていました。

磯崎展会場の群馬県立美術館は大学生のころに一度見学に訪れたことがありました。70年代に建てられたそれは、既にあちこち痛み、展示室の中も薄暗く、あまり良い印象はありませんでした。今回は、その美術館の全面改修に合わせての企画展でした。

20年の時を経ての再訪は、快晴や新緑の季節の効果かも知れませんが、同じ建物かと思うくらい良い印象でした。広い公園に銀色の箱がぽんぽんと置かれているだけの単純な構成ゆえに、あまり古びて見えません。細部のデザインも70年代テイスト(?)で逆に新鮮。
内部も照度を上げて自然光を取り入れて現代的な白い空間となっていますし、磯崎氏の大判のドローイングや木製の模型の展示と相まって地方の公立美術館というより現代アートの美術館といった印象を受けました。


展覧会のポスターは変形サイズ(縦横比1:2!)のシックなものでした。モノクロの魅力的な模型写真は石元泰博氏によるもの。最近気になっている写真家です。後日、自由が丘の画材屋さんでサイズに合わせてアルミのフレームで額装して食堂の棚に飾っています。なかなか良い感じです。

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かやぶきの宿

2008/05/10 20:07
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連休を使って群馬県の温泉宿を訪ねました。かやぶきの民家を移築して集めて旅館として使っている旅館で、ちょっとしたテーマパークのような感じもしますが思ったより良い感じでした薬師温泉旅館

単純に保存してるだけでなく、中を食事処やギャラリーに改装して使っているところが好印象の理由のような気がします。建物はやはり使われることで生き生きすることを再確認しました。

今回のトップは写真ではなくてスケッチ。普段の旅行はカメラ持参なんですが久しぶりにスケッチブックを持っていきました。描くことでよく見えてくるものがあるんですね、絵の稚拙は別として描くことの楽しさなど思い出しました。良い休暇になりました。
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元町にて異人館探訪

2008/04/30 16:14
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休日の打ち合わせがキャンセル。天気も良い連休の初日なのでちょっと足を延ばして横浜元町の異人館のひとつ「エリスマン邸」を訪ねました。5〜6年ぶりです、東横線が乗り入れるようになって元町も近くなりました。

大学時代も横浜に住んでいたのに、建築学科なのに異人館とかちゃんと観てませんでした。そのころは現代建築にしか興味がなくて、しかもロマンチックな洋館なんてへっ!て感じでしたね。若気のナントカです。いま考えるともったいない。

異人館はいくつかあるのですが、いま気になっているのは「エリスマン邸」。A・レーモンド氏による木造住宅は他の洋館と異なり、クラシックな装飾美より簡素で合理的なデザインを感じる秀作です。この場所にもともとあった建物ではなく元町でも別の場所にあったものを解体、移築したもの。今回受付で扱っていた「エリスマン邸復元事業報告書」を購入したのですが移築前の写真でひとつ気づいたのが、建物へのアプローチの変化です。

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建物へのアプローチが現在の玄関正面からではなく、建物の角に向かって斜めからとなっていました。良い建物へのアプローチの定石として斜めから建物を観ながら近づいていく方法がありますが、この建物もそのように考えられていたようです。ちなみに下が現在の正面アプローチからの写真。

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簡単に言うと斜めアプローチは建物の立体感や近づいていくことによるパース(遠近感)の変化を感じられるのが特徴です。正面アプローチは外観の構成(窓のシンメトリーや軒の水平ラインなど)を分かりやすく表現する方法です。レーモンドの意図は前者だったようですね。とはいえ正面から見てもバランスが美しい住宅です。





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コンクリート打ち放しのインテリア

2008/04/16 20:58
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以前設計した逗子の住宅のメンテナンスに行きました。5年前の竣工ですが、外部は壁面に雨垂れの筋があったり、地面の近くは泥はねがあったりとそれなりに経年変化してますが、内部はほとんど年月を感じさせません。

たぶん理由は単純でコンクリート造だから。外断熱で外部は仕上げがありますが、室内側はコンクリート打ち放し(またはコンクリート面に直接塗装)。コンクリートは石と同じですからちょっとやそっとじゃ傷つきませんし室内は外部と違って雨やほこりで汚れませんし。

あと、コンクリート面は通常の壁紙とか塗装に比べて暗い色なので汚れが目立たないというメリットがあります。デザイナーズマンション(賃貸)もコンクリート打ち放しのインテリアが多いのですが、デザイン面以外に入居者が変わるときに壁クロスのリフォームが不要なので維持費がかからないというメリットもあるそうです。

ところでこの部屋の天井高さは3.7m。コンクリートはそれなりに荒々しい表情なので小さな空間では場合によっては圧迫感があるのですが、大きい空間にはその表情が壁面の単調さを消して似合うような気がします。あと天井が高いと大きな壁面がしっかり背景になって床上にモノがいろいろ置いてあってもそんなに乱雑に見えないように思います。

設計した住宅を久しぶりに訪ねると小さいことですがいろいろと気づくことがありますね。
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風景に対するスタンスの取り方

2008/04/07 12:00
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 大型の建築の場合は景観との関係が注目されることが増えました。国立マンション訴訟とか、千鳥ヶ淵のイタリア文化会館とか。多くは全般的な法整備に向かわず、個別の案件に対する感情的な反応という感は否めませんが。

 そんなに大きな話ではないのですが、住宅を設計する際にも周辺の環境とどういう関係をもたせるかというのは重要なポイントです。例えば上の写真の住宅の場合、前面の川に対してどういうふうなスタンスを取るかということを意識しています。川といっても穏やかな自然風景ではなくコンクリートで川底まで固められた土木構築物です。そこで、水平に伸びるコンクリートの護岸に呼応するように四角い箱がぽんと置かれたような外観の建物にしました。木造住宅ですが外壁はセメント系の材料を張っています。

 もちろんある場所に対するデザイン的な回答はひとつではなく、その場所をどう読み取るかというのはいつも悩むところです。住宅の内部はあくまでプライベートな部分なので、どうしようが住み手の自由ですが、外観は周辺に住む人の環境の一部になるという意識は必要です。デザインの良し悪しでなく人目を意識するかどうかというマナーの問題に近いような気もします。

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