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白熱灯製造中止・・・「規制」という行政イベント

2008/04/10 11:34
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時事ネタはあまり取り上げないのですが、さすがにこれは見過ごせません。

経済産業省は、省エネに優れた電球型蛍光灯の普及拡大を目指すため、白熱電球の生産を2012年までに原則中止するよう電気器具メーカーに要請する方針をだしました。電球型蛍光灯について「白熱電球に比べ価格は高いが、電力消費量は5分の1、寿命は6倍だ」とし、温室効果ガスの排出削減にもつながるとしています。

確かに最近の蛍光灯は電球に近い暖色系の光のものや、従来のソケットに使える電球型蛍光灯が普及し、住宅の中でも多用されるようになってきました。省エネ効果もあるし、高齢者にとっても交換サイクルの長い蛍光灯はとても助かるものです。自分も最近設計した住宅では多用しています。

しかし蛍光灯では出来ないこともあります。例えば電圧の変化によって明るさをコントロールする調光システム。よくホテルの枕元の照明で見かけるあれです。蛍光灯だと電圧が下がると点滅・消灯してしまうのです。
また、電球型蛍光灯は点灯後に規定の明るさに達するまでに時間がかかるのでトイレや玄関といったON・OFFが頻繁な場所には向かないというのが照明設計のセオリー。演色性(照らすものの色の見え方)についても全く同じという訳にはいきません。
 
ということで、用途や場所によって蛍光灯と白熱灯を使い分けるのが理にかなっているのですが、経済産業省は地球温暖化対策のために白熱電球の製造中止の方向を打ち出したのです。
しかし器具の寸法の関係で白熱電球しか付かない照明器具も多々あります。また調光スイッチのある住宅も少なくありません。それらの器具は結局廃棄されることになります。また電球型蛍光灯は安定器一体型なので廃棄する場合はその部分まで捨てることになる。そういう環境負荷は検討されているのだろうか?

実際の規制の効果以上に疑問に感じるのは、行政主導で禁止項目を設けることの胡散臭さです。旧器具の買い替えの促進というメーカーに対する利益提供。新規制に対応できない中小企業の排除。規制のための機関の設置や規制を周知させるための広報活動など、新たな規制自体が公益法人や周辺への業務を創出するイベントとなっているように思います。
そんなに蛍光灯が環境に良いのであれば、その良さを周知するなり、メーカーに更なる高性能で分別リサイクルしやすい器具の開発を促すことで十分ではないか?それを選択する自由は消費者に任せて良いのではないかと思うのだが。

最後に照明は生活の道具であるが、同時に文化であると思う。ヨーロッパの都市の夜景の美しさ、日本建築の薄暗い室内で低い位置に置かれた行灯(あんどん)、近代のデザイナーによるオブジェのような照明等々。そういう社会的視野の広さの欠けるところが以前問題となったPSE法などと重なって見えるのである。

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