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ケンチクカメラ 改
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自由が丘在住の建築家ナカムラの撮った写真と日々の文章。
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元町にて異人館探訪

2008/04/30 16:14
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休日の打ち合わせがキャンセル。天気も良い連休の初日なのでちょっと足を延ばして横浜元町の異人館のひとつ「エリスマン邸」を訪ねました。5〜6年ぶりです、東横線が乗り入れるようになって元町も近くなりました。

大学時代も横浜に住んでいたのに、建築学科なのに異人館とかちゃんと観てませんでした。そのころは現代建築にしか興味がなくて、しかもロマンチックな洋館なんてへっ!て感じでしたね。若気のナントカです。いま考えるともったいない。

異人館はいくつかあるのですが、いま気になっているのは「エリスマン邸」。A・レーモンド氏による木造住宅は他の洋館と異なり、クラシックな装飾美より簡素で合理的なデザインを感じる秀作です。この場所にもともとあった建物ではなく元町でも別の場所にあったものを解体、移築したもの。今回受付で扱っていた「エリスマン邸復元事業報告書」を購入したのですが移築前の写真でひとつ気づいたのが、建物へのアプローチの変化です。

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建物へのアプローチが現在の玄関正面からではなく、建物の角に向かって斜めからとなっていました。良い建物へのアプローチの定石として斜めから建物を観ながら近づいていく方法がありますが、この建物もそのように考えられていたようです。ちなみに下が現在の正面アプローチからの写真。

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簡単に言うと斜めアプローチは建物の立体感や近づいていくことによるパース(遠近感)の変化を感じられるのが特徴です。正面アプローチは外観の構成(窓のシンメトリーや軒の水平ラインなど)を分かりやすく表現する方法です。レーモンドの意図は前者だったようですね。とはいえ正面から見てもバランスが美しい住宅です。





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コンクリート打ち放しのインテリア

2008/04/16 20:58
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以前設計した逗子の住宅のメンテナンスに行きました。5年前の竣工ですが、外部は壁面に雨垂れの筋があったり、地面の近くは泥はねがあったりとそれなりに経年変化してますが、内部はほとんど年月を感じさせません。

たぶん理由は単純でコンクリート造だから。外断熱で外部は仕上げがありますが、室内側はコンクリート打ち放し(またはコンクリート面に直接塗装)。コンクリートは石と同じですからちょっとやそっとじゃ傷つきませんし室内は外部と違って雨やほこりで汚れませんし。

あと、コンクリート面は通常の壁紙とか塗装に比べて暗い色なので汚れが目立たないというメリットがあります。デザイナーズマンション(賃貸)もコンクリート打ち放しのインテリアが多いのですが、デザイン面以外に入居者が変わるときに壁クロスのリフォームが不要なので維持費がかからないというメリットもあるそうです。

ところでこの部屋の天井高さは3.7m。コンクリートはそれなりに荒々しい表情なので小さな空間では場合によっては圧迫感があるのですが、大きい空間にはその表情が壁面の単調さを消して似合うような気がします。あと天井が高いと大きな壁面がしっかり背景になって床上にモノがいろいろ置いてあってもそんなに乱雑に見えないように思います。

設計した住宅を久しぶりに訪ねると小さいことですがいろいろと気づくことがありますね。
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白熱灯製造中止・・・「規制」という行政イベント

2008/04/10 11:34
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時事ネタはあまり取り上げないのですが、さすがにこれは見過ごせません。

経済産業省は、省エネに優れた電球型蛍光灯の普及拡大を目指すため、白熱電球の生産を2012年までに原則中止するよう電気器具メーカーに要請する方針をだしました。電球型蛍光灯について「白熱電球に比べ価格は高いが、電力消費量は5分の1、寿命は6倍だ」とし、温室効果ガスの排出削減にもつながるとしています。

確かに最近の蛍光灯は電球に近い暖色系の光のものや、従来のソケットに使える電球型蛍光灯が普及し、住宅の中でも多用されるようになってきました。省エネ効果もあるし、高齢者にとっても交換サイクルの長い蛍光灯はとても助かるものです。自分も最近設計した住宅では多用しています。

しかし蛍光灯では出来ないこともあります。例えば電圧の変化によって明るさをコントロールする調光システム。よくホテルの枕元の照明で見かけるあれです。蛍光灯だと電圧が下がると点滅・消灯してしまうのです。
また、電球型蛍光灯は点灯後に規定の明るさに達するまでに時間がかかるのでトイレや玄関といったON・OFFが頻繁な場所には向かないというのが照明設計のセオリー。演色性(照らすものの色の見え方)についても全く同じという訳にはいきません。
 
ということで、用途や場所によって蛍光灯と白熱灯を使い分けるのが理にかなっているのですが、経済産業省は地球温暖化対策のために白熱電球の製造中止の方向を打ち出したのです。
しかし器具の寸法の関係で白熱電球しか付かない照明器具も多々あります。また調光スイッチのある住宅も少なくありません。それらの器具は結局廃棄されることになります。また電球型蛍光灯は安定器一体型なので廃棄する場合はその部分まで捨てることになる。そういう環境負荷は検討されているのだろうか?

実際の規制の効果以上に疑問に感じるのは、行政主導で禁止項目を設けることの胡散臭さです。旧器具の買い替えの促進というメーカーに対する利益提供。新規制に対応できない中小企業の排除。規制のための機関の設置や規制を周知させるための広報活動など、新たな規制自体が公益法人や周辺への業務を創出するイベントとなっているように思います。
そんなに蛍光灯が環境に良いのであれば、その良さを周知するなり、メーカーに更なる高性能で分別リサイクルしやすい器具の開発を促すことで十分ではないか?それを選択する自由は消費者に任せて良いのではないかと思うのだが。

最後に照明は生活の道具であるが、同時に文化であると思う。ヨーロッパの都市の夜景の美しさ、日本建築の薄暗い室内で低い位置に置かれた行灯(あんどん)、近代のデザイナーによるオブジェのような照明等々。そういう社会的視野の広さの欠けるところが以前問題となったPSE法などと重なって見えるのである。

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風景に対するスタンスの取り方

2008/04/07 12:00
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 大型の建築の場合は景観との関係が注目されることが増えました。国立マンション訴訟とか、千鳥ヶ淵のイタリア文化会館とか。多くは全般的な法整備に向かわず、個別の案件に対する感情的な反応という感は否めませんが。

 そんなに大きな話ではないのですが、住宅を設計する際にも周辺の環境とどういう関係をもたせるかというのは重要なポイントです。例えば上の写真の住宅の場合、前面の川に対してどういうふうなスタンスを取るかということを意識しています。川といっても穏やかな自然風景ではなくコンクリートで川底まで固められた土木構築物です。そこで、水平に伸びるコンクリートの護岸に呼応するように四角い箱がぽんと置かれたような外観の建物にしました。木造住宅ですが外壁はセメント系の材料を張っています。

 もちろんある場所に対するデザイン的な回答はひとつではなく、その場所をどう読み取るかというのはいつも悩むところです。住宅の内部はあくまでプライベートな部分なので、どうしようが住み手の自由ですが、外観は周辺に住む人の環境の一部になるという意識は必要です。デザインの良し悪しでなく人目を意識するかどうかというマナーの問題に近いような気もします。

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ブログ、リスタートします

2008/04/05 12:45
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いろんな写真や文章を思いつくままに載せてきた当ブログですが、ちょっと当初の趣味の写真を中心とした内容から変わってきていて(まあカメラ中毒が最近落ち着いてきたんですけど)一度仕切り直しをしたいと思ってました。
今後はどちらかというとケンチクに関することを中心に書いていこうかなと思っています。建築にちょっとでも興味のある人の役に立つようなものになれば良いのですが。
タイトルも変えようといろいろ考えたのですが、それなりに愛着もあるので一部修正でいきます。過去のブログの内容は「ケンチクカメラ・アーカイブ」として置いておきます。

まあ相変わらず手探りですが、よろしくお願いします。
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